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外壁の知識 ー ベランダ防水 ー


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外壁の知識 ー ベランダ防水 ー

今回は住宅のベランダ防水についてお話ししたいと思います。

ベランダやバルコニーの床は、屋根と同じく紫外線や雨、太陽熱の影響をよく受ける箇所のため、定期的に適切なメンテナンスを行う必要があります。

バルコニーとベランダ、テラス

まず、よく耳にするバルコニー、ベランダ、そしてテラスの違いは何でしょうか?

ベランダ :建物から外面に張り出した “屋根のある” スペース
バルコニー:建物から外面に張り出した “屋根のない” スペース
テラス  :建物の1階部分から、床と同じ高さで庭や街路に向けて張り出したスペース

となります。
ベランダとバルコニーの大きな違いは屋根の有無です。テラスは1階にあり下は地面になるので階下への水の浸透を気にする必要はありません。
バルコニーとベランダは2階以上に有り、下が1階となる時は漏水を防ぐ防水工事が必要になります。
今回はベランダとバルコニーの防水工事を解説します。

ベランダ・バルコニー防水の種類と特徴(戸建て)

防水工事は、マンションやビル等を含めると、非常にたくさんの工法・材料があります。
その中で戸建て住宅のベランダ防水には、主に2つの工法があります。ウレタン防水と、FRP防水です。

1)FRP防水
FRP防水は、防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスマットで作られた防水層を作ることでベランダの床面に水を浸入させないようにする工法のことです。
施工手順としては、防水用ガラスマットを防水する部分に敷き防水用ポリエステル樹脂で固めて防水層を作り、その後、トップコート(上塗り)を塗布して仕上げる工法となります。他の防水工法と比較すると、硬度が高く、防水性と耐久性に優れているのが特徴です。

2)ウレタン防水
ウレタン防水塗装工法は、ウレタン樹脂系の防水材を防水箇所に塗布する工法です。ウレタンは柔軟性のある樹脂であるため、ひび割れなどに強く、防水効果を長期間維持します。
また、防水材を”塗装することで仕上げる工法”のため、複雑な形をした場所でも継ぎ目無く順応した施工を行なうことができます。

ベランダ・バルコニー防水の構造(FRP工法の例)

木造住宅のベランダは、当然ながら木を組み合わせて作っています。住宅により、若干の違いはあるかとは思いますが、右図は一般的な住宅のベランダの断面図になります。床面の材料を下から順番に並べると、
根太→構造用合板→勾配付断熱材→不燃板→FRP層→トップコート
の順番になっています。
ここで、大事な事は、「木製の床が有り、その上直ぐに防水層が有る」ということです。言い換えれば、水が防水層を突破すると、すぐに木部に水が浸入し住宅の劣化(=雨漏れ等)につながる可能性が高いということです。

 ベランダの劣化状況

1・FRP防水表面塗膜の色あせ、劣化(トップコートの劣化)
床の表面の色褪せが見られる時,又は表面が荒れてきている時は、トップコートの機能が低下してきている可能性があります。
特に、FRP防水のFRP層にまで影響が及ぶと、FRP自体が紫外線に弱いために、急激に劣化が進行します。
FRP層の露出が確認できる場合は早急なメンテナンスが必要です。表面の劣化だけの場合は、トップコートを再塗装するだけでよい場合がほとんどで、費用も安く済みます。
また、鳥などの糞も防水の表面の劣化の原因になりますので、鳥の巣が有る様な時は気を付けなければなりません。

2・塗膜や防水層のひび割れ・剥がれ・ふくれ(塗膜不良)
防水塗膜表面のひび割れや、剥がれた箇所・ふくれた箇所を見つけた際には、劣化箇所が表面のトップコートの塗膜だけか、又は、防水層から劣化してしまっているのかを業者に確認してもらう事をお勧めします。
めくれた部分や浮き上がった部分がある場合には、トップコートや防水層だけではなく、下地の工事も必要になる可能性もあります。そうすると、費用も高額になります。

3・ベランダ・バルコニーに水がたまる(勾配不良、詰まり、撥水不良)
べランダに水がたまる原因として、
・排水口(ドレン)にゴミがたまっている
・防水効果が切れてしまっている
・雨水を自然に流すための勾配がそもそもなかった
といった原因が考えられます。
まずは排水口の掃除をご自身で行い、水が流れるか見てみましょう。解決しない場合は、業者に現状をチェックしてもらってください。
状況に合わせて、
・排水口のひどい汚れや劣化がある場合は清掃をしてもらう
・防水効果が切れている場合は防水層をやり直す
・勾配がない場合にはモルタルや他の方法で勾配を作る
といった対応が必要です。

4・雨漏り
劣化や割れなどによるベランダの床の防水性が失われると、水が建物内部へ浸入し、建物を支えている大事な柱や梁、骨組みなどが錆びたり腐食させたりしてしまう危険性があります。また、雨漏りの原因が何であるのかが大変重要になってきます。
雨漏りは、ベランダ劣化の中で最も緊急性の高い状態です。
早急にリフォームをし、一刻も早く、水の侵入を防がなくてはなりません。

5・ベランダ下の雨染み(漏水)
ベランダの下を見ることができる場合には、その部分に雨染みがないかを確認してみてください。ベランダ内のひび割れや剥がれなどの劣化症状が長く放置され、悪化している場合には上記のような雨染みが発生します。雨染みが発生している=雨漏りをおこしているという可能性もあるので早急に補修工事をおこなう必要があります。
このような状況の場合、ベランダの手すりや笠木・外壁・ベランダの排水溝等原因が多岐にわたり更に複合していたりと、とても判断の難しい状況となります。しっかりと診断できるところに確認してもらう事をお勧めします。

いかがだったでしょうか? ベランダ も、外壁や屋根と同様に、経年劣化によって劣化をしてきます。
今一度、ご自宅のベランダを観察してみてはいかがでしょうか?何かしら、劣化の初期症状が有りましたら私達プロタイムズ宮崎北店にご相談ください!

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